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私と、フユミと、いそいで、まちへ。
…いえ、いそいでいたのは…私だけ?
「ねえ、あっちへ行こうよ」
「近くで、見てみようよ」
なんて…フユミは、のんきなもの。
そのひとは…いえ、そのおばけは…とっても、はっきりしていて、さっぱりしていて。
そして…とっても、たのしそうで、ゆかいそうで。
「あのトンネルは、こびとのくにの、いりぐちだね」
「あのくもは、てんしのげっぷだね」
なんて…ちかどうへのかいだん、のぞきこんだり、ふわふわのわたぐも、見あげてみたり。
へんなのだけれど…私、フユミのことばのたびに、どっきりしていて。
だって…フユミのいうことは、私のかんがえていたことに、そのままだったのだもの。
もちろん、はずかしいから…私は、ことばになんか、しないけれど。
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