十八歳

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両親はランドゥー二国が食料危機に陥ったとき真っ先に手を差し伸べ食料を届けた。 マーガレットは最初の人生で出会ったランドゥー二国の老婆と仲良くなり言語と踊りを教えてもらった。 ランドゥー二国との交流はそれだけだったが、それを理由にあることないことをでっち上げられ、マーガレット達は死ぬことになった。 「関わらないようにするべきだよね……」 そう頭ではわかっているのに、助けたいと思っている自分がいる。 関わればまた言いがかりをつけられ、殺される理由を与えてしまう。 それでも、あの時初めて友達と呼べる存在ができた。 彼女を彼女の国の人達は何も悪くないのに……。 「戦争は国外ではなく国内でするのよ」 国同士の戦争をおこさせないため、やっぱりあの男を手元におかなければ。 二度目の人生で私を殺した男。 この国の英雄と言われる男。 カラント・フェイスフル。 二度目の人生で最後に見たカラントの格好を思い出す。 あの服装はあの女がカラントの為に作った騎士団のものだった。 つまり、カラントはいずれアネモネの元にいく。 騎士団が設立されたのはマーガレットが死ぬ約一年半前。 二十歳のとき。 カラントは団長と呼ばれていたので設立されたときからいたのであろう。 いつからカラントがアネモネに目をつけていたかは知らないが、前回より一年前に回帰したのでタイムリミットは一年あるはずだ。 その一年でアネモネより早く手元におかないといけない。 但しこれはアネモネが今回は一緒に回帰してないことを前提にしている作戦。 マーガレットが復讐を果たすにはどれだけアネモネから人を奪えるかで決まる。 そのためにも絶対にカラントを手に入れないといけない。 「カラント、貴方には今回の人生では私の犬となってもらうわよ」
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