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振り向いた時、男の姿は消えていた。
ガラス面に写っていないのは勿論、何処を向いても男の姿は無い。
見間違いだろうか。私は一人首を傾げ、その日は
晩酌用のチューハイを購入しコンビニを後に
した。
*
翌朝、会社に向かうため電車に揺られていると
向かいの窓に例の男が写っていた。
周囲は学校や職場に向かう人達で混雑しており
、一人一人の顔を確認する余裕は無い。
男は大きな手で吊革に掴まり、細身の身体を
横に向けてはいるが顔は此方を向いていた。
まるで、私の動向を見逃すまいとしているかの
様に。
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