0人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
事実、私もそんな彼にいつからか好意を持つ
様になっていた。
仕事やデートを理由に遊ぶ約束を断る友人や、SNSで見掛ける結婚報告や著名人の集まる食事会などにまつわる投稿を見ては自分と比べて嫌悪感に見舞われた。
そんな投稿にイイネを押して、己の存在を主張
しなければ存在意義を保てない自分はもっと
嫌いだ。
仕事場と家を行き来するだけの私と違って、皆は
毎日が希望に溢れて充実している様に見える。
だから、砂糖に群がる蟻の様だと嘲笑われても
良い。
おこぼれにあやかる事で、自分を保てるなら
それで…。
だからだろうか、向こう側でしか生きられない
彼をいつからか羨ましく思う様になっていた。
彼は、そんな私の前に現れた神様に違い無い。
最初のコメントを投稿しよう!