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莉苑の様子に、少女は何かを察したらしい。莉苑は頷いた。
少女はスマホを取り出して物凄い速度で何やら打ち込むと、ニッと笑ってこちらを向き直った。
「じゃあボクたちと一緒にいればいいよ!今リツさんにも連絡したし、ぜひ連れておいでって言ってたからさ」
「ボクたち……?」
莉苑は首を傾げた。少女の家族と一緒に暮らそうということなのか。
「そ!ボクとかキミくらいの子達が集まって、リツさんっていう人の元で一緒に暮らしてるんだ。みんなめっちゃイイ人達だし歓迎してくれるからさ」
「そう、なんだ……」
「だからおいでよ、意外とたのしーし、お金稼げる方法だって教えてくれるし」
本当にそんな所があるのなら。でもそう話す彼女は幸せそうに見えた。
莉苑はコクンと首を縦に振った。女の子は「じゃあ決まり!」と嬉しそうに笑った。
莉苑は切符の買い方すら知らなかったが、それでも彼女は嫌な顔ひとつせず、莉苑に色々と教えてくれた。
初めて人の優しさに触れて、戸惑いつつも嫌な心地はしなかった。
目的地に着くまで、彼女は身の上を含めて色々と教えてくれた。
彼女の名前はユウといった。そして彼女は、彼「女」ではなかった。
莉苑が驚いて目をしばたかせると、ユウは笑って「結構多いよ」と言った。
ユウが話すことは、莉苑にとっては新鮮なことばかりだった。
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