妖狐の血判状

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 せっかく手に入れた力をもっと思う存分使いたかった私は、次にマユミの取り巻き2人の姿を借りることにした。  1人はユミ。彼女になってコンビニで堂々と万引きして逃走した。もう1人はキョウコ。彼女になって駐車されている無人の車を蹴り付け凹ませた。  どちらも監視カメラが設置されているところで行い、もちろん事件になるとすぐに彼女たちは警察から事情聴取を受けた。  高校生とは言え犯罪を犯したことに対して、学校としても何かしらの対応をしないといけないらしく、2人は2週間の停学処分を受けた。  さらに、いじめを受けているところを黙認し続けた教師にも復讐をすることにした。  彼の姿を借りた私は、内申を餌に女子生徒の身体に触れたり、校則違反の罰として淫らな行為に及ぼうとしたりした。  それが一部の間で公に広がり、被害女子生徒が親や警察に告発するとすぐに全国ニュースに取り上げられた。 「わ、私はそのような行為に手を出してはいない!断じてしていない!何かの間違いだ!」  彼の言い分は被害者の多さから聞き入れられることはなく、すぐに懲戒免職の処分受け、猥褻の疑いで逮捕された。 「私、内申点欲しいなら俺と寝ろって言われた」 「私も!推薦入試をすすめるから服を脱げって」  女子生徒の間でそんな会話が飛び交い、笑いを堪えるのに必死だった。  これで安心して高校生活を送れる。久しぶりに何事もなく過ぎる日々は快適だ。  復讐を終えた私はこの力をしばらく持て余すのも勿体無いと感じた。
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