ホワイトムスクの納涼祭

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日曜日。 週に一日、いや、最初は二日休む事になっていて、週末には上杉さんは自宅に帰る事になっていたのだが、彼女は土曜日も私の家に居る。 これでは労働条件が当初と違うのではないだろうか……。 そして、日曜の朝、彼女は「自宅に帰る」のではなく、 「ちょっと出掛けて来ます」 と言って出て行った。 担当編集者の上杉さんはこの夏、私と「サマータイム」と称し、十二時間、生活時間をずらして仕事をする事にした。 そして、睡眠不足で朝、車で自宅に帰るのも危ないという理由で、私の家の客間に住み着いてしまった。 「効率的でもありますし……」 などと言っていたが、本当の所は私にも皆目見当もつかない。 流石に土曜の夜、仕事はせずに私も映画をネットで観ていたのだが、上杉さんはダイニングテーブルで仕事をしていた様子で、「帰れ」とも言えずに、朝方寝るまで私は三本の映画を観た。
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