明治最終列車~明治45年7月29日午前8時。明治という時代が終わろうとしていたとき、新橋ステーションから豪華超特急列車が出発しようとしていました。万感を思いを込めて後世の人はこう呼びます。明治最終列車

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42車窓から見た朝の山陽の風景 43展望車(朝) 咲苗がバスケットに入れたパンを配る。 彩乃「次の小郡で降りなかったら、下関へまっしぐらだ。降りてもいいんだよ」 渚「ここまで来たら、みなさんと一緒です。新時代を迎えた仲ですから」 彩乃「降りて、男に恨み言のひとつもいってやれ」 渚「そうですね。でも、東京へ帰ったら、探してみたいものがあるんです」 彩乃「何を探すの?」 渚「制服向上委員会」 さくら「せりなちゃんはガセだっていってたけど」 みやび「メンバーが入れ替わって、今でも続いているとはいうけど、たしかなことは分からない。もしかすると立ち上がった民衆たちが、権力に潰されるとき、最後に見た幻かもしれないわよ」 渚「それでもいいんです。どこかにきっといます」 咲苗「(立っていて)私も乗務先で噂を聞いたら、みなさんにお伝えします。でも、私は制服向上委員会って・・・・・」 といってうつむいて笑う。 渚「(咲苗のセリフを受け継ぐように)いつか、この国の民衆が、権力の理不尽に向かって立ち上がるとき、きっと、私たちの前に現れるような気がします。新たなメンバーと新たな決意とともに」 44小郡駅・ホーム 汽車。 45展望車 咲苗「小郡~小郡~」 渚「降りなくていいんですか?」 さくら「私は覚悟はできてる。商法違反で起訴されて実刑になっても、来年には新帝様のご即位の大典恩赦があるだろう。すぐに出てこれるよ」 渚「楽観的なんですね。うらやましい」 46 車輪が動く
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