明治最終列車~明治45年7月29日午前8時。明治という時代が終わろうとしていたとき、新橋ステーションから豪華超特急列車が出発しようとしていました。万感を思いを込めて後世の人はこう呼びます。明治最終列車

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20夜の沿線風景 咲苗の声「20時25分、大阪着。21時21分、神戸着」 21展望車(夜) ワゴン車で袴姿の女給が舞台袖から現れる。 咲苗「夜食は神戸のホテルのサンドウィッチです」 女給、サンドウィッチをメンバーに次々と渡していく。 せりなが受け取ったとき、 れいか「ちょっと待ちなさい」 とそのサンドウィッチをひったくろうとする。 せりな、サンドウィッチ持ったまま、逃げる。 れいか、せりなをつかまえようとして、くるっと振り返り、女給へつかみかかる。 みやび、その間に割って入る。 みやび「藤宮、やめなさい!」 SE 汽笛。 咲苗「(汽笛に間髪いれず)神戸出発!」 22 車輪が動く 23 展望車(夜) 女給、入り口へ下がる。 れいか「社長。あの女はアメリカの回し者です」 みやび「アメリカ?合衆国政府の?」 れいか「アメリカが国内の社会主義者を扇動している可能性があります」 みやび「タフト大統領は、たしかに日本海軍の太平洋制覇をおそれている」 れいか「このまま放置しておけば、中国にも朝鮮にもアメリカの手が回るおそれがあります」 みやび「富山の米騒動もアメリカの謀略だというの?」 れいか「もっと大きな米騒動が起きます」
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