開発中だったBLアプリゲームの世界に転生したけどこの世界バクってやがる

　そうこうしている内に保険医が来てテオドアはクリスに付き添って病院に向かった。

　「俺、レオンが突き落としてるの見たぜ」
　「ひどいよね、クリス君可哀想」

　俺がクリスを階段から突き落としたという噂はすぐに広まり、親しい友人もいなかった俺を庇う声はなく、非難と蔑みの声で溢れた。例え親しい友人がいたとしてもそれは紛れもない事実だから友情を失うだけだったかもしれない。
　だけど多数の人から悪意を向けられるのは自業自得といえ精神的に辛かった。
　そしてそれは階段を降りている時のことだった。突然足を引っ掛けられて滑り落ちる。さほど高さがなかったから肘と膝の擦り傷と軽い打撲で済んだけれど、嘲笑うような周囲視線が怖くてその日は早退した。