哀しみの閃光

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屍がなくなると同時に、辺りは何事もなかったかのように、また明るさと静けさを取り戻した。 自ら命を絶ったものに、次の命の巡りはない。 神に苦しみの叫びを聞かせ、体と魂を焼き尽くし、全てここで消し去る。 二度と苦しませないために。 ユタは何もなくなった穴を見つめる。 ユタは死んだ人間の後始末しかできない。 生きている人間を助けることはできないのだ。 それが彼に許された、唯一の務めだった。
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