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ニ十分も待っただろうか、坂の下から昨日会った三人組がやって来るのが見えた。
昨日とは違い、当時流行っていた蛍光色の迷彩柄のTシャツなどを着ていて、最初はわからなかった。
私は女の子の名前と顔を覚えるのがどうも苦手だった。
「すみません。遅れて…」
その女子高生は一つ下で、終始、私たちにも敬語で話す。
育ちも良いのだろうか。
とりあえず、その大きな家のインターホンを押した。
すると、中から綺麗に着飾った中年の女性が出て来た。
「あ、真弓ちゃんのお友達ね……。ちょっと待ってね」
と言うとまた家の中に入って行った。
私はその家の二階の窓をじっと見つめる。
あの部屋だ……。
それは一瞬で分かった。
するとその部屋のカーテンが揺れて、こっちを見ている女の子の姿が見えた。
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