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直ぐに、その母親らしき女性がまた出て来て、門を開け、玄関まで通される。
少し私たちの姿を見て躊躇していたが、すぐに笑顔になり、
「真弓ちゃん。ママ出掛けるから、お願いね」
と二階に向かって声を張っていた。
「ではすみません。仕事なので……」
と母親は直ぐに出て行った。
見た事も無い程のリビングに通され、私たちは彼女が来るのを待った。
しばらくすると、目の下にクマを作った女の子がドアを開けて、警戒しながらリビングの私たちを覗き込む様に見ている。
「真弓……」
一人の女の子が立ち上がり、その真弓の手を引いてリビングに迎え入れた。
その子が部屋に入った瞬間から凄い気が漂って来る。
「完全に憑かれてるわ…」
Fは私に小声で言った。
明らかに体調の悪そうな表情で、私たちの向かいに女の子たちと一緒に座った。
そしてFはその真弓をじっと見ている。
視線を逸らさずに、
「セキ、先輩と一緒に酒と塩買って来て」
と言う。
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