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酒と塩か……。
いつもの奴か。
私はそう思った。
すると、
「それとスイカ…。切ってない奴、丸ごと一個。それから……」
と続ける。
いつもと雰囲気の違うFに関口は立ち上がった。
そして先輩の手を引いて家を出て行った。
結局、酒、塩、スイカ、それに大量のお菓子、線香と蝋燭、他にも何かあったと思うが忘れてしまった。
二人が出て行くとFが身を乗り出す。
「全然眠れてないやろ」
と真弓に訊いた。
真弓はそのFの問いにコクリと頷く。
Fもそれに頷き、ポケットからタバコを出して咥えた。
リビングにある高そうな灰皿にも父親が吸ったモノなのか吸い殻が入っていた。
Fはそのタバコを指で挟み、そっとその子に近付けるとその煙は吸い寄せられる様に真弓の方へと流れ出す。
何がどうなっているのか……。
私はその様子をじっと見る。
しかし、他の子たちはそれにも気付かない様子だった。
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