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「痛むか」
Fの問いに真弓は頷く。
「どんな痛みや……」
「何か、火傷みたいにヒリヒリするねん」
Fは頷くと、女の子たちに、
「すまんけど、氷、用意したって」
と言い、またその手形を指で撫で始めた。
その手形の一つが動いた様に見えたのは私だけだったのかもしれない。
しかし、Fもその動いた様に見えた手形の上で指を止めた。
「これやな……」
そう言うと、Fは数珠を出して、その手形の上を数珠で撫で始めた。
真弓の話では、その心霊スポットに行った日の夜、どうも背中がヒリヒリするので、風呂に入った時に鏡で見たらしい。
すると無数の手形が自分の背中にあるのに気付き、気味が悪くなり、その日から食事も受け付けず、寝る事も出来なくなったらしい。
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