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「下着、外すで……」
と、Fは真弓のブラを外した。
そしてその部分に掛かる、他より大きめの手形を数珠で撫でながら読経を始めた。
氷をビニール袋に入れて戻って来た女の子たちにFは真弓の背中を冷やす様に言う。
Fが数珠で撫でている手形以外に物は氷で冷やすと薄くなって行ったが、その分、背中のほぼ中央にある大きな手形はその色を増していく。
すると、突然、真弓が声を上げ始め、苦しみ始めた。
それと同時にその真弓の背中の手形がまた動いた様な気がした。
真弓は身体を震わせ始め、それは何かに耐えているかの様にも見えた。
そしてふとその震えが治まると、真弓は立ち上がり私たちの方を向く。
露わになった真弓の胸を隣に居た女の子が脱いだTシャツで隠した。
「誰が頼んだ……。邪魔するな」
真弓は表情を無くした顔で言う。
Fはゆっくりと立ち上がり、真弓の前のテーブルに座る。
「邪魔するな」
真弓はそれを何度か繰り返す。
私の口の中は一気にカラカラに渇き、その異様な光景をじっと見ているしかなかった。
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