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「お前、何でこの子に憑くんや……。あの場所から離れたらあかんのちゃうんか……」
Fがそう言うと、真弓の首はゆっくりと周囲の女の子たちの方を見る様に動く。
そして、
「こいつらが私を連れ出した。私が出たくて出て来たんじゃない」
と静かに言う。
Fは深く息を吐くと、
「帰れよ。そして、二度と出て来るな」
と言う。
真弓は歯を見せて笑った。
「自分でどうこう出来るモンじゃない」
Fはその言葉で、真弓の肩に手を置いた。
「俺が帰したるわ……。何なら成仏したいやろ」
そう言うとFは両手で真弓の肩を押さえ付ける様にして、目を閉じ、読経を始めた。
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