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「お前らも押さえろ」
とFは周囲に居た女の子たちにも言う。
女の子たちは手に持っていた氷の入った袋を投げ出して、真弓の身体を押さえ付けた。
Fの読経はいつもより激しい気がした。
私は無意識にポケットから数珠を取り出して、手を合わせた。
こんな事が現実に起こるのか……。
私は目の前で起きている怪異にしっかりと汗をかいていた。
その読経はニ十分はゆうに超えていた気がする。
するとようやく、暴れる真弓の体力がなくなったのか、静かになった気がした。
「水くれ……」
と隣にいた女の子にFが言うとその子はキッチンへと急ぎ、コップに水を入れて来た。
その水をFは一気に飲み干し、力が抜けた様に、床に座り込んだ。
「服、着せてあげて……」
と言うとFは私の傍に戻って来て座った。
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