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昼過ぎに真弓は目を覚まして、薄っすらとしか覚えていない私たちに礼を言った。
私たちはそのまま真弓の家を出た。
「さあ、じゃあ行こうか」
とFが言い始める。
「何処に」
と先輩がFの顔をバックミラー越しに見ていた。
「決まってるやんけ、大元をなんとかせんと」
Fはそう言った。
助手席には私と交代で関口が乗り、私は後部座席でFの隣に座っていた。
「ちょっとコレ、見て」
とFが自分のTシャツの背中を捲る。
するとそこにはさっき真弓の背中で見た手形があった。
「おい……」
私が声を上げると、
「大丈夫や、俺なら何とかなる……」
とFは笑っていた。
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