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ザラザラとした感覚が私の中にも入り込もうとしているのがわかった。
しかし、それに押し負けない様に気を入れて私も念じた。
Fの読経が終わり、私たちはぐったりとしていた。
「何とか強い奴は成仏したかもしれんけど、まだ残ってるな……。でもこの程度なら何も出来んやろう」
Fは私にそう言う。
しかし、その時、供えたスイカに罅が入り割れたのを私は見た。
「おい……」
私はFを引き留めようと呼んだ。
「大丈夫、大丈夫……」
Fは、そう言うと先輩の車に乗り込んだ。
私は今一度、割れたスイカを見た。
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