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その先輩は、自分が働き出してローンで買った車に乗って何処かに行きたいだけの先輩だった。
「行こうや…。女も誘ってよ…。楽しいで」
「お前ホンマアホやな。お前の車はバスか。何人乗れるねん。俺ら誘ったら、女なんて乗れんやんけ」
Fの言う通り。
その先輩の車は五人乗り。
算数も出来ない先輩だった。
「そん時はユージ誘うから車二台ある。二台あったら結構乗れるやろ」
結構ってなんだ……。
「女、先に誘ってからもっかい来い。女の顔見てから決めるからよ」
Fの口調は今にも喧嘩になりそうな感じで、私はハラハラしていた。
「おう。わかったわ……。お前どんな女がタイプやねん」
少し先輩も本気を出して来た感じだった。
「あー、すぐやらしてくれる女」
投げやりにそう言うFの言葉に私は笑ってしまった。
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