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その数日後、街を歩いていると、派手なクラクション鳴らしながら私たちの脇に先輩の車が止まった。
「おう、週末肝試し行くで」
その先輩はまたそんな事を言う。
「うるさい。さっさと死ね」
Fはその先輩の事がかなり嫌いだったらしく、口調も厳しい。
「そんなん言うなや。お前おった方がリアルで楽しいやんけ」
その先輩はFが「見える」事をネタにして女の子と肝試しに行きたいだけだった。
そのままその先輩を無視して私たちはいつもの公園の中へ行き、缶コーヒーを飲みながら話をしていた。
すると、さっきの先輩が三人の女の子を連れて公園に入って来るのが見えた。
「おい、アイツ、マジで女連れて来たで」
と関口が指差した。
Fはじっとその先輩たちを睨み付ける様に見ながら、
「アイツ、マジでいっぺん怖い目見せんとわからんねんな」
と咥えたタバコを地面に叩きつけていた。
私はその日も喧嘩を覚悟したのだが……。
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