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その女の子はとある女子高の同級生で、夏休みの宿題に心霊スポットのレポートを書くって事をやっていた。
「そんなん宿題になるんか」
Fが言うと、女の子の一人がFの前にノートを出す。
Fがそれを受け取り、ノートをパラパラと捲った。
「ふん……。しょーもない」
とFはそのノートを私に手渡す。
私はそのノートを受け取り、同じ様にパラパラと捲った。
どれも心霊スポットでも何でもない場所で、そんな場所を恐怖体験として怖そうに書いているだけだった。
そんなテレビが流行っている時代でもあり、それなりにリアルに書けば、それっぽく見える感じだった。
私も笑いながらそのノートを読んでいたのだが、ふとあるページに貼られた写真が気になって手を止めた。
「どないしたん……」
と私の様子に気付いたFが横からノートを覗き込んだ。
Fは私からノートを取ると、そのページをじっと見つめている。
「お前ら此処、行ったんか」
と前に立つ女の子に訊く。
その子は後ろに立つ女の子に目配せして頷く。
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