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②
だけど去年のある日、孤児院の子供が木登りに失敗して木から落ちてしまった。頭から血を流して気絶しているのを見た僕は、その子を助けるために隠していた力を使った。それでその子は元気になったんだけど、僕が怪我を一瞬で治したことを知った院長先生が国に報告。そして僕はここへ連れてこられた。
何が起こったのかよくわからなかったんだけど、僕が使えたこの不思議な力は治癒魔法だって言われた。そしてこの治癒魔法は誰でも使えるわけじゃないみたいで、とっても珍しい能力なんだって。僕はそれまで魔法とか全然わからなくて、いきなりそう言われても「ふ~ん」くらいにしか思っていなかった。
それから僕はここでいっぱい治癒魔法のことを勉強しなきゃいけないって言われて、この学園に通うことになったんだ。
だけど僕は字が読めなかった。先生が話してることも全然理解できなかった。それで僕は一人だけ別の授業を受けることになって、字を覚えることから始まった。
この学園には寮があって僕はそこに住まわせてもらっている。領地が遠い場所にある人は寮生活なんだって。だけど僕は平民で孤児だから普通の部屋に入ることは出来なかった。貴族の人と同じところに住んじゃダメなんだって。だから寮のすみっこにある物置を整理してそこに住んでいる。でも隙間もないから風も入らないし、ベッドもあるしお布団だってあったかいんだ。凄いよね! 孤児院にいた時と比べるともの凄く恵まれてるなって思った。
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