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再び、五人は最初に目覚めた部屋で向かい合うことになった。
沈黙が、重い。アンリは頭痛を覚えて、残る四人を見回す。誰もが視線を逸らす中、唯一女子高校生だけがこちらを見返してきた。そして、渇いた笑い声を上げる。
「と、とりあえず……名前わかんないと不便だし、自己紹介でもしとく?うんうん、それがいいかんじ!あ、あたし敷波摩子です、よろしく!花の高校三年生でっす!」
はいはいはい、と元気に手を挙げる彼女。そのたび、ウェーブした明るい髪が揺れる。間違いなく空元気だが、少しだけ空気が和らいだのは事実だった。
「あら、この流れ、お姉さんも言った方がよさそう?はい、私の名前は荒潮楓よ、仲良くして頂戴ねえ。三十八歳主婦だけど、見た目より若く見えるでしょう?うふふふふ、ひそかに自慢なのよ」
「何を能天気な」
おっとりとした口調の彼女に、イライラとツッコミを入れるヤクザ風の男。まあ、彼の反応が普通だな、とアンリは思う。なんせ、ここの主催者側がこの五人に争いをさせようとしているのがはっきりとわかってしまったのだから。
とはいえ、この場での孤立は得策でないと考えたのか。あるいは見た目に反して律儀な性格なのか。大男は舌打ちをしながらも名乗ってくる。
「……能代舵。苗字が能代で、名前が舵。職業は想像に任せる」
「え、ヤクザでしょ?」
「そう思うなら簡単に口にしないことだ。俺が武器を持っていたら一発で終わってたな、お前」
「ふげっ」
空気が読めないのか危機感がないのか、あっさり口にした摩子を睨みつける舵。ひいい、と言いながら男子小学生の後ろに隠れる様は、なんとも小者感あふれていて残念である。
まあ、そのお調子者っぽいところが、彼女の魅力なのかもしれないが。
「陽炎美月。小学三年生」
最後に、ボブカットに眼鏡の綺麗な顔をした少年が名乗る。それで、と彼から視線を向けられてアンリは気づいた。肝心の、自分の自己紹介をしていなかったことにたった今気づいたからだ。
「え、えっと……俺は高校二年生の、雪風アンリッス。どうも、よろしく……」
「はあい、よろしくねえ」
「は、はは……」

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