出会い(裕義のターン)

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香絵に、正直に俺の気持ちを伝えた。妻子あるいい年したオジサンが、まだ大学生の、会ったばかりの香絵に惚れてしまうなんて、自分でもどこかおかしい気はしていた。 けれど、香絵も同じ気持ちだったようで、二人はあっという間に結ばれた。 気がつけば、香絵と過ごす時間が長くなり、それは俺にとって何物にも代え難い大切な時間になった。せめて香絵が大学を卒業するまではと、うまく隠し通せる自信があったのに、ある日唐突に発覚してしまった。 「逃げよう、誰も知らない所まで」 「うん」
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