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「ありがとーっ!だけど、一口くらいは食べてあげなさいよ。みんなヒロヨシに気持ちを伝えたくて、一生懸命に準備したんだからさ」
_____それでも、人生最大の恋は私と、だけどね
「いやいや、どうせ義理チョコだからね」
「そんなのわかんないじゃん?ほら、コレなんてお手紙ついてるよ」
「ちょ、それはダメ!」
ピンク色の封筒を、私の手から奪って鞄にしまうヒロヨシを見て、少しだけ切なくなった。
_____きっと、そうやって恋もしたんだよね
あれこれおしゃべりしてたら、日が翳り、辺りが薄暗くなる。楽しい時間はいつもあっという間だ。
「俺、そろそろ帰るわ」
「うん、また遊ぼ」
立ち上がったヒロヨシの、制服のズボンの丈が短くなっていて、また背が伸びたんだなと思った。
_____もうそろそろかもしれないな
ヒロヨシが14歳になった頃、私は生まれた。だとしたらカヤンでいられる時間はもう少ない。
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