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思い出した。俺が中学2年まで暮らした街、エブリスタウン。奇跡が起こると言われていたっけ。
そんな街だからきっといろんな楽しいことがあったはずなのに、不思議とそこに住んでいた頃の記憶はぼんやりとしていて、はっきりとは思い出せない。
_____そうだ!もしかしたら、その街までいけば奇跡が起こるかもしれない
香絵に何もしてやれない自分が腹立たしかったけれど、この切符でエブリスタウンまで行けば、香絵の願いが叶うんじゃないか?
その小さな切符を両手で包むと、強く願った。
_____どうか、香絵の願いを叶えてやってくれ
何度も何度もひたすら願った。
いつの間にか眠っていたようで、ふんわりとあっかい夢を見た。ずっとそのまま眠っていたいような懐かしくてあったかい、そんな夢だった。
そして数日後、俺は死んだ。
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