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 顎を持ち上げられてキスをする。ほんの数分前まで全然そんな気分でも雰囲気もなかったのに、急にスイッチが入る。そんな槙田先生に戸惑い、少し置いてけぼりになりながらも急速に気持ちが昂っていった。  噛みつくように唇を吸われ、上着を脱がし合い、体を撫でながら順番に剥ぎ取っていく。槙田先生の手がインナーの上から胸を覆い、暫く擦られたあとゆっくりインナーの下に手を侵入させてきた。  一度肌に直接触れるとあとは早い。首元までぐっと下着をずらされて、力強くも優しい、絶妙な加減でまさぐられた。それをしながらキスをするだけで頭の中が痺れて呼吸も途切れ途切れになる。槙田先生は落ち着いているのに、わたしだけが取り乱した。悔しくて恥ずかしくて腕やシーツで顔を隠しても、槙田先生は余裕の笑みを浮かべてわたしの両手を押さえつける。耳朶に舌が這い、わたしにしか聞こえない声で囁いた。 「もっと見せて」  それだけで腰が抜けたのは言うまでもない。
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