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雨が降ると体がだるい。午前中だというのに電気をつけなければならないほど暗い部屋に、バラバラと窓を叩く雨音に気分が沈む。仕事が休みなのがまだよかった。今日はコーヒーを淹れて論文でも読むことにする。
ドリップコーヒーにお湯を注ぎながら遥にメッセージを送った。あれから旦那さんと仲直りはできたのか気になっていながら仕事に追われて連絡できずにいたのだ。メッセージはすぐに既読になり、テレビ通話を繋げてもいいかと返ってきたので「OK」のスタンプを送った。通話を始めたのは十分後、画面に映った遥は笑顔で、それだけで仲直りをしたのだと察した。
『ごめんね~連絡しなくて。こないだはありがとう』
「その様子じゃ仲直りはしたみたいね」
『一応ねー。今まで溜め込んでこと、全部言いたいこと言ったのよ。それで旦那が何か劇的に変わったってことはないけど、前よりは子どもと接しようと……は、してる』
「雨降って地固まる、ね。あんたが離婚したいって泣きながら電話かけてきた時はどうしようかと思ったわよ」
コーヒーを淹れ終えたものの、カップが見つからない。せっかくコペンハーゲンを使おうと思ったのに。パントリーや食器棚を探し回って、結局見つからないのでどこかのノベルティのマグカップに注いだ。
『お騒がせしました。仕事探そうか色々悩んだけどね、結局家のことをやらなきゃいけないのはわたしで、困るのは子どもたちだから、わたしは自分のやるべきことを頑張るよ。ストレス発散できるような趣味でも見つける』
いいところも駄目なところも見せ合って、時には協力したりぶつかったりして、お互いがちょうどいい距離感を学んでいく。顔も見たくないほど嫌いな時もあれば、やっぱりこの人しかいないと思うことだってあるのだろう。そういう相手がいるのは、やっぱり羨ましい。
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