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ダンジョンに迷い込みました
ある日世界中のいたる所にダンジョンが現れ、一時混乱状態に陥るがある者がダンジョンに潜り、その様子を配信する事で後に続く者達が多くあらわれたのだ、世間ではその様を『ダンジョン配信』と呼ばれるようになり、配信者になる者があとを絶たないのだ。
ダンジョンには現在の地球上には存在しない生物、魔物と呼ばれる者達がいる。その姿は現存する生物に類似した者、神話に登場する生き物に類似した者、さらには既に地球上から絶滅した生物を類似したものと実にさまざまである。
一時はダンジョンにいる魔物を駆除する動きも検討されたが、地球上で開発されたあらゆる兵器は通じず、ダンジョン内で得た不思議な力、魔法やダンジョン内に現存する武器と、ダンジョンで得た力でのみ倒す事ができるのだ。
また魔法と呼ばれる力は老若男女問わず得られる力である為、年配者や女性の配信者も多いのがダンジョン配信の特徴だ。さすがに力を得ても年端も行かない子供をダンジョンに送るのは危険だと判断され15歳以下はダンジョンに入れないという法律が日本では制定された。
現状ダンジョンに関する法律は各国の政府の判断に委ねるという形にとどまっており、世界中で統一された決まりはないのだ。
そして、ある高校生は今日もダンジョン配信を楽しんでいた。
「へえ、すごいな、この配信者もう1万人登録者突破したのか、あっ、こっちは……」
彼の名は暁駿、高校1年生だ。ダンジョンは彼が小学6年生の時に、つまり約4年前に世界中に出現した為、今や彼もダンジョン配信と言うのが当たり前にある生活になっているのだ。
「そういえば最近近くにもダンジョンが発生したっけな少し見に行ってみるか」
そう言って駿は家を出て、自転車に乗ってダンジョンらしきものが発生した場所に向かっていく。
現在も新しいダンジョンは所々に発生しており、その度に新たなダンジョン配信者が現れ、配信者の中にはダンジョンレポートをウリにしている者もいて、新しいダンジョンが発生する度にそこに赴くものもいるのだ。
ダンジョンの形状や入口については法則性がなく、ほら穴のような形、場合によってはマンホールのような穴も存在するのだ。
そして情報のあった場所に駿は到着し、近くを探索する。
「この草むらあたりらしいからな、おっと確かマンホールのような穴も存在するらしいし慎重にいかないとな」
しばらく歩いているとどういうわけか扉らしきものが浮いて存在しており駿はある事に気付く。
「もしかしてこれがダンジョンの入り口かな、ちょっと中だけ見てみよっと」
そして扉を開けた瞬間にゲリラ豪雨が降って来て、咄嗟に駿は扉に入る。
「やべ!」
咄嗟に駿が扉に入ると中はまさに配信でよく見たダンジョンそのものであった。
「ウソ?俺、ダンジョンに入っちゃったよ」
ダンジョンに入った駿、彼を何が待ち受けているのか?
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