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食のリクエスト
配信を終え、翌日登校した駿は放課後まで授業を受けると、校外学習の班で集まり話し合いの場が設けられた。学級委員で班長の裕子が話し合いの進行を今日も務めるのであった。
「いよいよ、来週に校外学習が始まります。昨日丸山君が考えてくれたレクはすべて古賀先生より許可が下りたので、丸山君は引き続き準備をお願いします」
「うん、任せて」
「それじゃあ、各係での新歩状況の説明をお願いします」
「ゆうゆう、新歩状況って何を言えばいいの?」
まりより裕子から新歩状況の事について質問があり、裕子が返答をする。
「係の準備がどこまで進んでいるかの報告をして欲しいの、例えば雪野さんなら、……風邪薬とかは学校が用意してくれるし、特にないわね」
「何だ、何もないのか……」
「でも当日の管理はしっかりしてよね、あとみんなも個別で薬が必要なら雪野さんに預ける分と自分で管理する分を用意してね」
「じゃあ、今なんか特別に薬飲んでいたら教えてよ」
まりは一同に個別で必要な薬がないか聞くが、誰1人反応がなかったので、特になしと判断をする。
「じゃあ、風邪薬や胃薬、あとケガ用の消毒とかの管理だね、あたしは」
「そうね、そういえば暁君、確か調理係でよくスーパーとか周っていたけど、そのへんはどうかしら?」
「ああ、少し遠いが安いスーパーを見つけて一応値段とかもメモってきた」
「どれどれ……みんなも見てくれる、一応バーベキューに使えそうな食材はのっているけど、何か他に欲しいものがあったら言ってみて」
そう言いながら裕子は他の班員にも駿が書いたメモを見せる。駿はメモにバーベキューに必要な食材の種類と量、そして値段を書き込んでいた。これで大丈夫かと思っていたが、思わぬリクエストが入ってきた。
「駿、せっかくのバーベキューだし、肉と野菜ばかりじゃなくてソーセージとかもいれてくれねえか」
「うん、予算オーバーしそうなら肉の割合を少し減らすのもありだと思う」
「それは嫌だな、駿、削るなら野菜を何品目かの方にしてくれ」
「ええ、で、でもさ野菜もちゃんと食べないとダメだよ」
「碧さん、せっかくの校外学習だし、あんま固い事言うなって」
「で、でも……」
高史よりソーセージのリクエストがあり、丸山も食品の割合を削る事を提案するが伽耶は野菜も必要と控えめながら主張すると、駿はかなりの戸惑い感じ、更に追い打ちをかけるリクエストがまいこんでくる。
「あのさ、暁、デザートとかないの?」
「待ってくれ、一応これバーベキューだし、同じプレートで作ると臭いがさ……」
「そっか、でも何か甘いもの食べたいなあ、果物って用意できないの?」
デザートのリクエストもあり、駿の頭はてんてこ舞いになっていた。
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