始まりの日(0歩)

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杏と少しずつ会話ができるようになってきた頃、ディズニーリゾートが近づいてきた。 ランドでは俺達3人で行動するので、高杉とその後のことを確認する。 できるだけゲートに近いところで降ろしてもらい、パーク内に入る。 高杉と安西さんはディズニーホテルで、今後起こり得ることへの対応策を話し合う。 俺達に何か問題があればすぐに来てもらうことにしている。 俺は特に変装はせずに、マフラーを口元まで巻くだけにする。 マスコミなどに気づかれたときは杏と紬ちゃんの安全を第一に高杉と安西さんを呼び対応してもらう。 杏は眠っている紬ちゃんを愛おしそうに見ている。幸せな顔をして眠る紬ちゃんを見ているだけでこっちまでしあわせな気持ちになる。 パーク内に入って紬ちゃんを杏が起こす。 「つむちゃんー 着いたよー ミニーさんに会いに行こー」 まだ寝ぼけた顔で 「んー行くー目めがあなない」 ねぼけているときはまだまだ赤ちゃん言葉 かわいい 降りるときになってもはっきり目覚めないので、杏が抱っこして降りようとする。 「俺が抱っこしてもいいかな?」 二人に尋ねる。 笑顔で頷いてくれたので、慣れないながら抱っこさせてもらう。 普段は杏があの細い腕で抱っこしてるんだな 結構重さがあるのに そのうえ、子供を連れていると荷物が多い。 少し一緒に行動しただけでも大変さが伝わってくる。 一人で育てている杏はどれだけ大変で、頑張っているか改めて実感した。
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