皇の一族

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「色々と優に説明した方が良いんでしょうか…?」 「そうだねぃ。説明してあげなよぃ」 「分かりました」 「まず、お前は誰なんだよ?びっくり人間サン」 「ミニですよ。気力が違うのは僕の特殊能力のせいです」 「どんな?」 「『気力改変』という固有特殊能力です」 「は?」  固有の特殊能力は自身の気力に基づく。だから、自身の気力を変えたら、本末転倒じゃないか? 「まぁ、そんな凄いものでもないですよ。特殊能力と結びついた気力部分を変えることはできませんし、表面上を変えることができるだけです」 「へぇ」 「なので、他人の固有の特殊能力を真似することはできません」  あっ、そういう見方もあったか。 「というわけで僕はミニです」 「よし、理解したぞ、多分!」  多分ね、多分。これ重要だからもう一回言っておくぞ。多分理解した。 「では、“戸”の一族についてですが…昔、『星詠み』という固有の特殊能力を持った人がいたんですよ。有名なのは安倍晴明ですね」 「陰陽術とかと関係が?」 「いや全く」  はっ?えっ? 「『星読み』は星の光がよく届くところで強くなるだけです」 「………」 「でも『星読み』はそれだけじゃなくて、星の光が届いていなくても、気力の量を増やしたり、扱いを上手くしたりと、強い特殊能力なんですよ」 「なるほど…」 「で、それは血に受け継がれるんですよ」 「つまり…子孫も気力が増えて、扱いが上手くなるってことか?」 「その通りです。でも、それは子供のうちの1人にしか受け継がれなかった。一子相伝、というのが一番近いと思います」 「話からすると、その一族が“戸”なんだろ?なぜ戸の一族は1つじゃないんだ?」 「『星詠み』は任意の1人にだけ受け継ぐことができます」
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