24.それぞれの本当の気持ち。

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 ったく。良倉のオーラは相変わらずわかりにくい!  色が無いからこそ、感情の揺れも、体調を崩しているかどうかも、判別しにくいのだ。和志に乗せられて、後部座席に座った良倉に、陽彩はそれまで着ていた彼のコートを脱いでかぶせた。  良倉は熱で朦朧とするのか、完全に目を閉じていた。眠っているのかもしれない。  私がコートを借りちゃったから、体が冷えてしまったんだ。靴も、海水でびしょ濡れだし、せめて脱がせておこう。 「和志さん、タオルかなにかないですか?」 「えっと、待って。多分トランクに」  和志からフェイスタオルを借りて、スニーカーと靴下を脱がせて丁寧に拭いた。  再び彼の隣りに座ると、和志がエンジンをかけて車を走らせた。  ふと視線を感じて横を向く。重く閉じていた瞼が開き、彼の澄んだ瞳と目が合った。ドキンと心臓が跳ねる。  良倉は「ありがとう」と吐息のような声をもらし、ズルズルと体を傾けた。  っえ、え、えぇ!? 「あらら」と振り返った和志が、呆れて笑みをこぼした。 「仕方のない奴だねー、遼飛は。陽彩ちゃん、しばらくそのままでいてあげて?」 「は、はい……っ」
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