24.それぞれの本当の気持ち。

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 支払いを済ませたあと、陽彩へと近づき、「あのさ」とまた話しかけた。 「今日、廊下で話し込んでた友達って、二宮 聡か?」 「そうだよ。ちゃんと話し合って、告白も断った。前みたいな友達関係は無理だけど。それなりに上手くいくといいなって、思ってる」 「……そっか」 「あ! あと。聡くんが謝っててって言ってたよ。この間、良倉さんに酷いこと言っちゃったからって」  ふぅん、と呟き、良倉は気のない様子で館内案内図を眺めた。 「五階にレストランあるって。ヒーロー、お腹すいたでしょ、なにか食べてく?」  そう言われて、また腹部を押さえた。キュルルと音が鳴り、良倉が「行くか」と言って踵を返した。  まるでデートのような構図で二人掛けのテーブル席に座り、運ばれてきた料理に手を付けた。頼んだ和食を良倉が先に食べ終え、テーブルにスマホを置いた。 「ひとまずはラインを交換しておこう。その方が確実に返事を返せるから」  陽彩のメールを無視してしまったのを、彼なりに反省しているようで、陽彩は喜んでその提案を受け入れた。良倉のQRコードを読み込み、アドレスが加わると、すかさずスタンプを送りつけた。良倉のアイコンは水族館かどこかで撮ったような海月(くらげ)の写真だった。 「海月とか可愛い」と言ってからかうと、「好きだから」とすぐに返事がある。
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