絞り椿となりて永遠に咲く

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「まあ……結婚するくらいですから? 庇うのも当然なんでしょうけど。でも紫月さん、俺心配なんス!」  ますます身を乗り出しながら、まるで耳打ちするかのように顔を近付けて三春谷は続けた。 「あの人、ヤクザですよね? 地元じゃ有名だって。そんな人と一緒にいて紫月さんヤベエと思わないスか?」  これにはさすがの紫月も返答に困らされてしまう。 「いや、まあヤクザってのはちょっと違うんだけどな。あいつとはガキん頃からの幼馴染でさ。性質もよく知ってっから」  心配には及ばないと笑えども三春谷は大真顔を崩さない。 「脅されて一緒になったとかじゃないんスか? だったら俺、うちの会社にも弁護士とかいるし、力になれることがあるかも知れませんので」 「脅されてって……そりゃないない! つかさ、おめえが思ってるようなことは全然ねえからダイジョブダイジョブ!」  紫月は極力明るくあしらったが、三春谷は納得できていないような顔つきでいる。  後ろの席で聞いていた橘と春日野も無言のまま視線を見合わせてしまった。 「それよか今日はおめえの結婚祝いなんだから!」  時間も時間だし、あと一杯飲んだらそろそろ引き上げるかと言って話題を変えた。
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