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「弟を守ってくれるのなら、僕の名前と使っていい。それと、給料を出す。あと、住居も必要か……確か、曾祖父の別荘がそのままだったな……」
「詳しい情報は後にします、まずは、逃げないと……」
追手が迫ってきているのだ。
すると、少年はニコリと笑うと、後ろに手を振っていた。
「この子、フォローしてあげて」
「承知しました」
すると、どこからか声がして、黒いスーツの男性が突然現れた。その男性は、俺を片手で持つと、袋の中に入れ、そのまま静かに歩き出すと車に乗った。
「この人は、森宮。四乃守(しのかみ)の執事の一人だ」
四乃守というのは、裏社会の三大勢力とは別に存在する、老舗稼業の一族だった気がする。たしか、四乃守一族の分野は医療で、裏社会で治療するという事は、通常社会の医師免許を所得している。
「森宮、この子を俺の代わりに学校に行かせて、弟を守らせたい。弟は、自分の事を出来損ないだと卑下しているけど……本当は凄い子だよ。僕が守ってあげないと……」
先代の四乃守には、確か子供が二人いたが、一人が死亡していた。それは、四乃守には奇怪な病気を持っている者が発生し続けているせいで、一人はその病気で亡くなった。そして、金属の死体を残した。そして、その金属の死体は、先祖のものも合わせると三十七体になっていると聞いたことがある。
その三十七体は、内臓から脳まで金属化していて、しかも、超希少金属や宝石になっている部分もあるという。だから、何体かは富豪が所得し、飾られているらしい。
その資金で、四乃守は裏社会に病院を建設し、一族の奇病の原因と治療方法を探している。
「君はもしかして……」
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