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「……体内にビックバンか、ブラックホールでもあるのか?」
「どういう発想?でも、それもいいね。研究してみるよ」
英トは金属化も、進化なのだと言っていた。そして、進化とは遺伝子の一部で、既に決まっていた事だという。
「金属の生命体ならば、宇宙空間のような過酷な状況でも生き抜く事が出来る。未確認飛行物体、あれは、僕の兄弟のように思えるよ。生きた金属だ」
水銀の血を流す、生きた金属というものも先祖にはいたという。
「あ、到着したよ。この家を使っていい。それと、僕、五年も休んでいたので、編入試験が必要かも……」
給料は森宮が家に届けるらしい。その額を聞いてみると、かなりの高額だった。
「……それだけ、危険という事か……」
「それと、家の修復代金。直しながら住んでみて……」
俺が車から降りると、給料は家の修復代金だと分かった。
「これ?」
「そうだよ」
家と言っても、柱しかない。まずは、屋根を付けないと、雨が降ったら眠る場もない。
「……日曜大工が趣味になりそうだ……」
しかし、英トは俺の素性が気にならないのだろうか。追われていた子供に、どうして家や金を与えるのだろう。
「英トさん、追われていた理由を聞かないのですね」
「ああ、知っているから」
すると、英トは車に乗ったままで、俺に端末の画面を見せてくれた。
「殺人犯……それと、横領とスパイ行為と、妨害行為や爆破……沢山あるね……」
「それで、どうして雇ったのですか?」
知っていたのならば、とても謎だ。
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