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今は緊急事態で、本村の背にある扉は、開いたまま空を見せていた。俺は愛用の銃を構えると、ヘッドホンを外した。
「さよなら、本村……」
この銃音は、心の中に永遠に残しておきたい。
「さよなら、俺の愛した人……」
そして、俺は本村の心臓を撃ち抜くと、ほぼ同時に頭も撃ち抜いた。
「夏目さん!!!何をしているのですか!!!」
そして、ヘリコプターを操縦している西海は、気配を察して叫んでいた。
本村は、俺の目にはゆっくりと、だが確実に後ろへと倒れてゆき、轟音の中で青い空の中に消えた。そして、本村を追い掛けるように、俺はパラシュートを付けずに、空へと飛びこんだ。
「本村さん!!!」
俺が本村の姿を探すと、かなり下方を落ちていた。俺のウエイトでは、本村に追いつけない。
「夏目さん!!!!!!!」
西海の絶叫を聞きながら、俺は本村のいる地上へと落下した。
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