第一章 Eight

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「待った!悪魔でいいから、運ぶな!」  俺は出頭してきたので、このまま静かに留置場に行きたい。しかし、担ぎ上げられると、子供の姿ではどうにもならない。俺は、そのまま運ばれると、車に乗せられてしまった。 「ここ、警察だぞ……」  どうして、誰も追い掛けて来ないのだろう。  すると、外では銃の音がしていた。 「こんなチビでは、釈放されてしまうだろう!だから、俺達が正義の鉄槌を与える!!」  でも、ちゃんと裁いたほうがいい。裁きというのは、死んだ者の為にあるのではなく、生きてゆく遺族の為にあるのだ。 「俺達は正義の使者だ!」  正義の使者が銃撃戦をしないだろう。  だが、この車は防弾使用で、銃弾が当たりつつも走り出していた。  車はワンボックスカーで、後部の座席は全て外されていた。俺はそこに放り込まれ、待機していた男が、俺の頭に袋を被せた。だが、袋が大きすぎたのか、頭どころか体の半分が入ってしまった。  警察内部では、男達を捕まえようとした人物はいなかった。それなのに、外では銃撃戦というのはおかしい。これは、警察は男達と、どこかで繋がっていると考えていいだろう。  そして、揺れの感じからすると、この車は裏社会に向かっていた。そして、時間の経過で、裏社会に到着した事が分かったので、俺は手錠を外すと、前の座席を蹴り上げた。そして、被っていた袋を破って顔を出した。  すると、怒ったメンバーが俺に銃を向けてきたので、反対に銃を奪うとドアを撃ち、鍵を開けると外を見た。  車が走っていたのは橋の上で、下には川が流れていた。
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