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「又、川か……」
しかし、俺は、躊躇わずに車から飛び出すと、そのまま橋から落ちた。
「逃げたぞ!車を止めろ!!」
「畜生!川に飛び込みやがった!!」
「探せ!!」
俺を攫った連中は、車を止めると、川に向かって銃を撃っていた。
探せと言いつつも、俺を殺そうとしている所がポイントだ。生きたままという発想は、この連中には無いのかもしれない。
「どこだ!!」
「探せ!!」
そして、俺の姿を見つけらないので、橋の下に降りて来ようとしていた。
俺は橋の下に逃げ込んでいたが、又、川に飛び込んだ方がいいのかもしれない。
俺が川を振り返ると、車椅子に乗った少年が近づいてきた。
「追われているのか……」
それは、見ればわかるので否定できない、しかし、ここで叫ばれると、俺も逃げ場が無くなりそうだ。
早く水に潜ったほうがいいのかと、俺が川で逃げ場を探していると、少年が少し唸っていた。
「その姿で、大人から逃げ切っているのか。だったら、いいのかもしれないな……あの、一つ、仕事を頼みたいのだけれど……いいかな?」
この状況で、仕事を頼まれても困る。俺は、まず、逃げなくてはいけない。
「引き受けてくれるのならば、逃がすけど」
「内容を教えてください」
すると、少年は弟を守って欲しいと言っていた。
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