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金時計を見上げると22時10分前だった。
門限ギリギリである。
2人は足早に寮へと戻った。
「九条寒くない?」
「少し。」
「部屋出る前にお風呂準備しといたから一緒に入ろう。」
結人は雅美から貰ったチョコレートの箱を大事そうに机にしまうと、服を無造作に脱ぎ捨てていく。
そして恥ずかしそうにしている雅美の服へと手を伸ばす。
「あの。。自分で脱げます。」
雅美の声が震えている。
「じゃあ待ってるから」
結人は全裸になるなりさっさと浴室に消えた。
雅美は結人が消えた後も中々脱げずにいた。
「するよね。きっと」
雅美はポツリ呟くと顔を赤らめる。
それから小指に光るリングに目を向ける。
「栗原。」
雅美は服を脱ぎ終えるとバスタオルを巻いて浴室の扉を開いた。
「九条早く中入って冷えちゃう」
身体を洗い終えた結人は緑色の湯船に使っている。最近お気に入りのはヒノキの入浴剤だ。
雅美はそそくさと扉を締めてバスタオルのまま身体にシャワーをかけた。
「九条ったら。何やってるのそんな隠さなくても。ほらあっち向いてるから、ちゃんと洗うんだよ。」
そう言うと結人は壁の方へと顔を向ける。
雅美はおずおずとバスタオルを剥がすと身体を洗い始めた。
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