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「ジャケットシワになるといけないから脱いで」
結人にそう言われて雅美はボタンに手をかける。その姿を結人がジッと見ているものだから、変に意識的してしまいうまく外せない。
「九条俺がやる」
焦れたように結人が雅美のボタンを外しにかかる。
結人との距離が近くて落ち着かない。
「九条調子が悪いならちゃんと言わないと駄目だろ?」
心配そうに言われると胸が痛む。
「いつから?もしかして朝からか?それとも昨日の夜?」
仮病がバレたら結人は怒るだろうか、雅美はなにもいえないでいた。
「気づいてあげられなくてゴメンネ。ほら横になって。」
気づかれないように雅美は病人のフリをすることに決めてベットに横になる。
「寒くない?」
結人の声は限りなく優しい。
雅美は小さく頷いた。
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