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父親が実の母以外の女性と仲良くする光景は、
あまり見たくないと思っていた栞だが、
なぜか父親と美幸が仲良くしているのは嫌な気がしない。
むしろ嬉しくなってくる。
栞は、そんな2人の会話に耳を傾けながら、
心の中が温かいもので満たされていくのを感じていた。
そこで最後のデザートが運ばれて来た。
それを食べながら栞が言った。
「今ね、友達から連絡が来て、渡したいものがあるから家に寄って行って
って言われちゃったから、私、一足先に帰るね!」
栞がそう言うと、美幸が「えっ?」と驚いた顔をしていた。
剛はというと、
「綾香ちゃんか?」
と言った。
剛は栞の親友である綾香には会った事はないが、
いつも栞から話しを聞いていたので、すぐにわかったようだ。
栞がうんと頷くと、
「そうか、それじゃあしょうがないな! 気をつけて帰れよ!」
と剛は言った。
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