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「先生、よく噛んでからゆっくり食べないと.......」
栞がまるで母親のように言ったので、
直也は思わず吹き出しそうになった。
「ブッ!!!」
「先生汚い!」
「だって君が変な事を言うから.......」
思わず2人は声を出して笑った。
そんな2人の様子を、少し離れた場所から重森悟が見ていた。
重森はサークル仲間の何人かと、カフェに来ていたようだ。
そして、栞と直也が親しげに話す様子をじっと見つめている。
そんな重森の横にいた女性は、重森の視線の先を追う。
そこには、男性と親し気に笑う女子学生の姿があった。
女子学生を見た途端、その女性は急に苛立った表情をした。
その時重森の隣にいたのは、栞の元姉の華子だった。
重森はサークルを2つ掛け持ちしていた。
1つはヨット部、
そしてもう1つはミスコンなどを主宰するイベントサークルだ。
華子は、重森が主宰するイベントサークルへ、
外部からのメンバーとして参加していた。
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