出逢い1

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栞は急遽その駅で下車した。 この駅へ降りるのは初めてだった。 そして目の前にあったベンチへ、崩れるように座り込む。 停車したままの電車から、 栞の様子を不思議そうに見つめる人がいた。 その視線を感じ、さらに呼吸が乱れてくる。 『どうしよう......』 その時、鋭い発車ベル音がホームに鳴り響き、 電車は走り去って行った。 電車がいなくなり少し安堵した栞は、 とにかくこの状況をなんとかしようと、呼吸へ集中する。 自宅でこの発作が起きた時は、 落ち着いて呼吸に意識を向ければ、治ったからだ。 ネットで調べた情報によると、 リラックスして深い呼吸を繰り返せば、落ち着くらしい。
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