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「巡回でここを通るたびに尻尾振って寄ってくるんです。ついつい撫でてしまうんですよ。なっ!まろまゆ!」
「わふっ!」
まるで僕に相槌を打つかのように、嬉しそうに吠えたまろまゆ。
うむ。
やっぱり可愛いやつだな。
「そう……ですか……。」
表情はわからないが、なんとなく呆れてる?
そんな感じがする。
まろまゆはそんな人間のやり取りなんて気にする様子もなく、僕の手に頭をすり寄せ、なでなでを要求。
「……ホント、お前は人懐っこいなぁ。」
わしゃわしゎっと撫でてやると、大きな目をキラキラさせて、くるんと巻いてる尻尾の揺れるスピードが、ぐぐんとアップした。
「あっ、飼い主さん、今は持っていないんですけど、また今度の巡回の時に持ってくるんで、犬用のおやつ、少しだったらあげてもいいですか?」
たまにおやつをあげたいとは思っていたが、こういうことは、ちゃんと許可をもらわないとダメだろ?
勝手にあげて、何か良くないことが起きてもいけないし。
「…えと……」
何か考えている女の人。
……断りの言葉を考えてる?
ダメならダメでいい。
断りにくいなら……と思い、気にしないでと言おうとしたら……
「あげてもらって……大丈夫……です……。」
なんと。
オッケーをもらえてしまった。
よしっ!
仕事が終わってから、まろまゆ用のおやつを調達しに行こう!
喜ぶまろまゆの姿が目に浮かぶ。
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