第一話 転校生

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次の日。何故かわからないけど、 彼の方から話しかけてきた。 「よ、よう!おはよう。」 「えっ?  おはようございます…?? 突然どうされたのですか?」   「名前…。 そういえば聞いてないと思って…。」 「えっ?私の名前ですか?  南です…。  冬野 南といいますが…。」 「ふーん。  南ね!  俺は竜。  大倉竜(おおくらりゅう)  よろしくな!」 「えっ?本当にどうされたのですか?  何故でしょう?  私の事は怖かったのでは?」   彼は恥ずかしそうに、照れ笑いをしながら答えた。 「最初はな…。  凄くビビったけど…。 お前…悪いやつじゃないって思ったから。」 私は疑問に思った。 でも、なんだか嬉しかった。 もしかしたら、仲良くなれるかもしれないと思った。 人間と妖怪が仲良く暮らすそんな幸せが 訪れたらいいと心から思っていた。 「友達になってやってもいいぞ!」 彼は、偉そうにそう言った。 「お友達になって下さるのですか?  それは嬉しいのですが… 私は化け物ですよ…。 あなたの事…。」 私はこの続きが言えなかった。 それがどうゆう理由かを言葉にするのが 怖かった。 私はただ微笑んだ。  
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