それはクリスマス・イブの事。

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男は女に先に変えるように伝えると近くのファミレスに移動する。 近くのファミレスに移動した俺と男は椅子に腰掛けた。 「まず、自己紹介と行こうか。」 男は腹立つくらい美しい微笑を浮かべ、一気に口調を変えていった。お互いこの時点で既にお互いがお互いである確信があったように思う。 「久坂桜誠(オウセ)だ。周りは誠華と呼んでいる。」 いかにもこいつらしい名前だな。つけたのはこいつじゃないだろうけど。 桜誠は、ニヤッと笑った。負けじと俺も憎らしい笑みを浮かべていった。 「高杉呼春。通称なんぞない。」 いった途端、桜誠は微笑んだ。仮定が確信、事実になったときに浮かべる笑みだ。 「暢夫(チョウフ)。でいいんだな。」 ああそうだよ、俺は暢夫だ。容姿が変わっただけであの頃と何も変わっちゃいねえ。 「ああ、秋湖(シュウコ)。何年ぶりだ?」 「百・・・、何年ぶりだろう。」 このズレた生真面目は、近くにおいてあった紙ナプキンに胸ポケットに入れてあったボールペンで計算しようとした。 「そういうところ、変わんねえんだな。」 お互いあまり話したくなかった。この喜びが醒めないで、久遠に続くことをお互いに願ってしまっていたから。
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